2回目 王道のフレンチ

明治、大正、昭和初期、まさにそれは、フランス料理の黎明期。

富国強兵、西洋への憧れ、明治時代の幕開けとともに、鎖国から解き放たれた日本は、

欧米諸国に追いつけ、追い越せと、対外的に国の力を見せつけました。その力のひとつとして、

西洋料理もひと役買うことになりました。「本物の西洋料理を目指せ」国を挙げてのこの指令が、

料理人達の意識を西洋へと向かわせました。そして未知なるフランス料理への扉を開くことになったのでした。

築地精養軒(1873年)箱根富士屋ホテル(1878年)鹿鳴館(1883年)

三田東洋軒(1906年)横浜ホテルニューグランド(1927年)

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料理人の神様と言われた
オーギュスト・エスコフィエ(1846年~1935年)         (祖父から譲り受けた  仏蘭西料理全書 
                                           天皇の料理番 秋山徳蔵 著)

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    (小野ムッシュから頂いた私の宝物)          (フランス料理の鬼と呼ばれた男 小野ムッシュ)


60年代、そして70年代=東京オリンピックと大阪万博と

フランスの料理界が、ヌーヴェル・キュイジーヌで揺れている頃、「もはや戦後ではない」と宣言した日本は
東京オリンピックや日本万国博覧会などで復興した国の力を世界にアピールし続けました。ホテルでは、
国の威信をかけてフランス料理を学んできたシェフたちが、その腕前を披露。国内外に実力を知らしめました。
いっぽうで、華やかなフランス料理の世界に夢を抱く若者たちが、ヨーロッパに旅立ち始めた時代でもありました。
                              
また、エスコフィエの教えに忠実に,絢爛たる料理の質を誇り、都市ホテルでは本格的なフランス料理が
供されるようになりました。
日本の現代フランス料理の基礎を築いた帝国ホテル村上信夫、ホテル・オークラ
小野正吉 両グラン・シェフがいました。      (参考文献 料理王国 日本のフランス料理100年史)

テーマは、東洋の伝統美と西洋のモダン

伝統と革新のせめぎあいの中で、迎賓館の歴史の一頁に貢献できる料理を私自身の手で作り出していければと
考えます。迎賓館の歴史を伝承し、具体的には迎賓館それは私自身の中の伝統と革新であり、伝統料理の中にいかに自分の持ち味を盛り込んでいくか、という命題につながるものでもあります。
クラシックモダンの現代フランス料理(Cuisine Contemporaine)です。

さて、舞台は結婚式です。。。

結婚式当日のお二人やご年配のゲストやご友人の喜んでいる表情をイメージしながら、味はもちろん、視覚でも皆様に感動して頂ける様に見た目にも美しく、芸術性溢れる料理は「次はどんなお料理が出てくるんだろう。。。」と、
続きます。
一品一品にそんな期待を持って頂けるように過去の迎賓館の料理を未来に伝承していく。。。
美術館に飾られてる絵のように。。。
迎賓館ではこのように、結婚式当日はもちろん、未来にも通用し、語り続かれていくお料理になればと、
思いをこめてスタッフ一同、みんなでお作りしているのです。

お二人にとって過去に迎賓館に来館した数々のVIP以上に大切な人々が集まる結婚式、
その特別なゲストに特別な日にこそふさわしい最上級のおもてなしをお約束いたします。
3連休ですね、さぁ、ご予約下さい! 週末の迎賓館見学&試食ツアー 心より、お待ち申し上げます。   
                                      迎賓館  グラン・シェフ 中村 実